打殺す(読み)ウチコロス

デジタル大辞泉 「打殺す」の意味・読み・例文・類語

うち‐ころ・す【打(ち)殺す】

[動サ五(四)]
たたき殺す。「棒で―・す」
(「撃ち殺す」「射ち殺す」とも書く)弾丸や矢を命中させて殺す。「銃で―・す」
表に出ないように感情などを抑える。
「よし事実に棒を引いたって、感情を―・す訳には行かないからね」〈漱石道草
殺す」を強めていう語。ぶっ殺す。
落人おちうどのあらんずるをば、用意して―・せ」〈平家・八〉
[可能]うちころせる
[類語]絞め殺す縊る刺し殺す噛み殺す轢き殺す殴り殺す叩き殺すぶち殺す焼き殺す

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「打殺す」の意味・読み・例文・類語

うち‐ころ・す【打殺・撃殺】

  1. 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
  2. [ 一 ] ( 「うち」は、たたく、などの意 )
    1. たたいて殺す。ぶち殺す。
      1. [初出の実例]「剣を抜きて撃殺(ウチコロシ)つ」(出典:日本書紀(720)神代上(水戸本訓))
      2. 「呂須を笞殺(ウチころシ)つ」(出典:史記呂后本紀延久五年点(1073))
    2. 石を投げつけたり、弾を命中させたりして殺す。
      1. [初出の実例]「石をひろひかけ〈略〉『さないはせそ。院宣であるに、ただ打ころせ打ころせ』とて打つ間」(出典:平家物語(13C前)八)
      2. 「鉄炮で打殺(ウチコロ)した物が」(出典:滑稽本浮世風呂(1809‐13)二)
  3. [ 二 ] ( 「うち」は接頭語 )
    1. 「殺す」を強めていう。ぶっ殺す。
      1. [初出の実例]「ぬす人うちころしてば、いかがせまし」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)
    2. 質に入れる。殺す。ぶち殺す。
      1. [初出の実例]「人の物でも手廻り次第打ち殺してその日を凌げ」(出典:浄瑠璃・妹背山婦女庭訓(1771)三)
    3. 表に出ないように、感情などを抑える。
      1. [初出の実例]「感情を打(ウ)ち殺(コロ)す訳には行かないからね」(出典:道草(1915)〈夏目漱石〉一〇〇)

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