縊る(読み)クビル

デジタル大辞泉 「縊る」の意味・読み・例文・類語

くび・る【×縊る】

[動ラ五(四)]
首を絞めて殺す。「のどを―・られて息絶える」
罪人を縛り首にする。
「―・らるる者九人、流さるる者十五人」〈孝徳紀〉
[動ラ下二]くび(縊)れる」の文語形
[類語]絞め殺す刺し殺す噛み殺す轢き殺す殴り殺す打ち殺す叩き殺すぶち殺す撃ち殺す焼き殺す

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「縊る」の意味・読み・例文・類語

くび・る【縊・括】

  1. [ 1 ] 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙
    1. [ 一 ] ( 縊・絞 )
      1. 首を絞めて殺す。しめころす。絞殺する。
        1. [初出の実例]「門に出でて胡床(あくら)に坐て待つ。時に軍至りて乃ち、来目の物部の伊区比に令(のりこと)して絞(クヒラ)しむ」(出典:日本書紀(720)舒明即位前(図書寮本訓))
      2. 刑罰の一つ。絞首刑にする。
        1. [初出の実例]「蘇我の山田の大臣に坐りて戮さるる者〈略〉秦の吾寺等凡て十四人。絞(クヒ)らるる者九人」(出典:日本書紀(720)大化五年三月(北野本訓))
    2. [ 二 ] ( 括 )
      1. (中ほどを挟み持つように)強くにぎる。しっかりとつかむ。かたく持つ。多く「取りくびる」の形で用いられる。
        1. [初出の実例]「れいよりもさうぞくうるはしくして、笏(さく)取りくびりてぞ、練りいでにたりし」(出典:宇津保物語(970‐999頃)蔵開上)
      2. ひもなどでくくりしめる。
        1. [初出の実例]「手拭にて咽(のんど)を縊(クビ)られ、打伏して息も絶えたる様子」(出典:人情本・恩愛二葉草(1834)三)
        2. 「手早く両脚をくびり猿轡(さるぐつわ)をかませ」(出典:花間鶯(1887‐88)〈末広鉄腸〉中)
  2. [ 2 ] 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙くびれる(縊)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android