抑留拘禁(読み)よくりゅうこうきん

改訂新版 世界大百科事典 「抑留拘禁」の意味・わかりやすい解説

抑留・拘禁 (よくりゅうこうきん)

いずれも身体の自由を拘束することをいうが,日本国憲法両者を区別している。〈抑留〉は一時的な身体の自由の拘束をさし,〈拘禁〉は継続的な自由の拘束をさすと解されている。憲法第34条によれば,〈何人も,理由を直ちに告げられ,且つ,直ちに弁護人に依頼する権利を与へられなければ,抑留又は拘禁されない。又,何人も,正当な理由がなければ,拘束されず,要求があれば,その理由は,直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示されなければならない〉(なお,国際人権規約B規約9条参照)。刑事訴訟法逮捕・勾引は抑留にあたり,勾留は拘禁にあたるので,同法は,これらを行う際には理由および弁護人選任権を告知すべき旨を定めている。さらに,勾留されている者について勾留理由開示制度が(刑事訴訟法第82条以下)設けられ,また,現実に不当に人身の自由を奪われているすべての者について人身保護制度が設けられている。
人身保護法
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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