人身保護法(読み)じんしんほごほう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

人身保護法
じんしんほごほう

昭和 23年法律 199号。法律上正当な手続によらずに身体の自由を拘束されている者を裁判所によって迅速に救済させるための制度について定めた法律。英米法ヘビアス・コーパス制を範としたもので,その特色としては,(1) なんぴとでも救済の請求人になりうること,(2) 救済の請求は口頭でもなしうること,(3) 請求先は被拘束者,拘束者または請求者の所在地を管轄する高等裁判所または地方裁判所のいずれでもよいことなど,手続の迅速性がはかられている。

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百科事典マイペディアの解説

人身保護法【じんしんほごほう】

不当に奪われている身体の自由を,裁判によって迅速かつ容易に回復させることを目的とする法律(1948年)。被拘束者その他だれでも高等裁判所または地方裁判所に救済を請求でき,請求理由が正当と判決されれば,直ちに被拘束者は釈放されなければならない。最高裁判所は,特に必要と認めれば下級裁判所に属する事件を自ら処理し,その裁判・処分を取消し・変更し得る。救済行為を妨害した者は2年以下の懲役または5万円以下の罰金。英米法のヘビアス・コーパスの制にならったものであるが,刑事手続についてはほとんど用いられず,もっぱら幼児の引渡請求や,精神科病院への強制入院の関係などで利用されている。
→関連項目身体の自由

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世界大百科事典 第2版の解説

じんしんほごほう【人身保護法】

イギリスのヘビアス・コーパスにならって,1948年に制定された法律。不当に奪われている人身の自由を,司法裁判によって迅速・容易に回復させることを目的とする(1条)。刑事訴訟法82~86条の勾留理由開示の制度とともに,憲法34条後段の拘禁理由開示の趣旨を具体化する意味ももつ。ただし対象は刑事手続に限定されない。法律上正当な手続によらないで,身体の自由を拘束されている者があるときは,本人でもだれでもその救済を請求することができる(人身保護法2条)。

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大辞林 第三版の解説

じんしんほごほう【人身保護法】

人身の自由が不当に奪われている場合に、司法裁判により迅速容易にその自由を回復させることを目的とする法律。1948年(昭和23)制定。
1679年イギリス議会が不法な逮捕や裁判を禁じて、人権保障の確立のために設けた法律。

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世界大百科事典内の人身保護法の言及

【ヘビアス・コーパス】より

…裁判所が拘禁の理由を取り調べ,その結果にもとづいて適当な処分を行うため,被拘禁者の身柄を裁判所に提出すべきことを拘禁者に命ずるもの。とくに17世紀に,スチュアート朝の国王がみだりに人民を逮捕して審理を行わずに拘禁を続けた場合に,そのような君主大権の濫用に対する人身の自由保護のための救済手段として活用され,1679年の〈ヘビアス・コーパス・アクト(人身保護法)〉によって,この令状の順守が明確に義務づけられるようになった。この議会制定法は〈第二のマグナ・カルタ〉と呼ばれ,アメリカ合衆国でも連邦および州の立法の基礎とされた。…

※「人身保護法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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