投掛ける(読み)ナゲカケル

デジタル大辞泉 「投掛ける」の意味・読み・例文・類語

なげ‐か・ける【投(げ)掛ける】

[動カ下一][文]なげか・く[カ下二]
投げて掛ける。「帽子を―・ける」
相手に届くように送る。「熱い視線を―・ける」
相手や関係のある方面問題などを提起する。「疑問を―・ける」
寄りかかるようにする。「身を―・ける」
投げるようにして着せかける。「肩に羽織を―・ける」
「一族五人、腹巻取って―・け―・け、皆高紐しめて」〈太平記・七〉

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精選版 日本国語大辞典 「投掛ける」の意味・読み・例文・類語

なげ‐か・ける【投掛】

  1. 〘 他動詞 カ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]なげか・く 〘 他動詞 カ行下二段活用 〙
  2. 投げてうち掛ける。投げつける。また、投げてやる。
    1. [初出の実例]「下がさね〈略〉腹立ちて、なげかけて立ち給ふ」(出典:落窪物語(10C後)一)
  3. あらあらしく着せかける。
    1. [初出の実例]「しづかきせながとッてなげかけ奉る」(出典:平家物語(13C前)一二)
  4. 光線や視線がその場所に届くように投げる。
    1. [初出の実例]「透明なる光線を彼の皮膚の上に抛げかけて」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉一)
  5. 相手に疑問や問題などを提示する。
    1. [初出の実例]「世間は彼等の一群に対して、様々の揣摩臆測を投(ナ)げ掛(カケ)る」(出典:社会観察万年筆(1914)〈松崎天民〉新女優の運命)
  6. 勢いをつけてよりかかるようにする。「身をなげかける」

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