抵抗極小の現象(読み)テイコウキョクショウノゲンショウ

化学辞典 第2版 「抵抗極小の現象」の解説

抵抗極小の現象
テイコウキョクショウノゲンショウ
phenomenon of resistance minimum

近藤効果ともよばれている.スピン磁気モーメントをもつ不純物(Fe,Mnなど)をごく微量含む貴金属(Au,Ag,Cu)の合金電気抵抗は,温度を下げると純金属の抵抗と同様に減少していくが,約10 K 付近でその値は最小値に達し,それ以下の温度では逆に増加する.この現象を抵抗極小の現象という.1964年,近藤 淳が金属中の伝導電子不純物原子のスピンとの交換相互作用によって,極低温において電気的・磁気的性質に温度の対数項(log T)を含む関数で表される異常性をもつことを理論的に導いた.その対数項が極低温における抵抗増加を示す.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「抵抗極小の現象」の意味・わかりやすい解説

抵抗極小の現象
ていこうきょくしょうのげんしょう
phenomenon of resistance minimum

銀,銅,金などの貴金属に不純物としてクロムマンガン,鉄などの磁性原子がごく微量含まれていると,低温では温度が下がるにつれて電気抵抗が減少し,約 10Kで抵抗に極小が現れ,それ以下では再び抵抗が増大する。これを抵抗極小の現象という。 1964年近藤淳はこの現象を理論的に説明した。 (→近藤効果 )

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