担板漢(読み)タンパンカン

デジタル大辞泉 「担板漢」の意味・読み・例文・類語

たんぱん‐かん【担板漢】

《「たんばんかん」とも》板をかつぐと、片側しか見えないように、物事一面だけを見て全体を見ることができない人のたとえ。

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精選版 日本国語大辞典 「担板漢」の意味・読み・例文・類語

たんぱん‐かん【担板漢】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「たんはんかん」「たんばんかん」とも。板をかつぐ男の意から ) かついだ板に妨げられて一方しか見えないように、物事の一面だけを見て大局を見ることができない人のたとえ。
    1. [初出の実例]「両般なしと会するも、なほこれ担板漢なり」(出典:伝光録(1299‐1302頃)般若多羅尊者)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「担板漢」の意味・わかりやすい解説

担板漢
たんぱんかん

禅語。担板は肩に板を担ぐこと、漢は男子・輩(やから)の意。担いだ板に一方の視野が遮られて、板の裏側のほうは見ることができないところから、ものの一面だけしか見えず、広い視野にたって全体を正しく認識することができない者をそしるときに用いる語。唐・宋(そう)時代以来、禅の語録禅問答で、自己偏見に固執して身動きできない仏道修行者をののしって用いられた。

[石川力山]

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