出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
→法の解釈
…たとえば爆発物取締罰則にいう〈爆発物〉の解釈をめぐって,いわゆる火炎びんがこれにあたらないとされた事例などは,文理解釈によってはなお不明晰であった法文の〈爆発物〉の意味が体系的解釈によって限定された例として挙げられよう。 なお体系的解釈の一種として拡張解釈や縮小解釈が論じられることが多いが,これらは文理解釈によって法文の意味が一応明晰となっているものを,体系的解釈によって拡張したり縮小したりして修正する場合である。拡張解釈の例としては,刑法38条3項の〈法律を知らなかったとしても,そのことによって,罪を犯す意思がなかったとすることはできない〉という規定の〈法律〉の語について,それをその語の通常の意味である国会の議決を経て成立する法律だけでなく命令,条例,規則なども含むと解釈する場合などがあげられる。…
… 類推は私法の領域では比較的自由に行われているが,刑法においては罪刑法定主義により類推解釈が禁止される。この刑法における類推解釈の禁止は,拡張解釈と類推の限界事例において問題とされることが多い。これに関して判例では,旧刑法下で窃盗罪にいう〈財物〉に電気が含まれるとした事例や,過失往来危険罪にいう〈汽車,電車〉の転覆の規定をガソリンカーに適用した事例などがある。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」