[名]
1 数量の多いことと少ないこと。多いか少ないかの程度。「多少にかかわらず、ご注文に応じます」
2 《「少」は助字》多いこと。たくさん。
「人の家に―の男子を生ぜるは此れを以て家の栄えとす」〈今昔・一・一九〉
[副]数量のあまり多くないさま。程度のあまり大きくないさま。いくらか。少し。「多少難点がある」「多少遅れるかもしれない」
[用法]多少・若干――「その意見に対しては多少(若干)疑問がある」「原案に多少(若干)手を加えた」など、数量・程度が少なく、はっきり示せない場合には、相通じて用いられる。◇「多少のばらつきがあってもかまわない」「朝晩は多少冷えるでしょう」「病状も多少落ち着いた」のように、大目に見たり全体からすればほんの少しという気持ちで言う場合は、「多少」のほうがふさわしい。「若干」は文語的で語感が硬い。「募集人数は若干名」「若干の問題を話し合う」などでは、「若干」だけが用いられる。
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?-? 江戸時代中期の俳人。
江戸の人。馬場存義(ぞんぎ)(1702-82)の門人。姓は花隈。別号に新樹庵。
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日本では多かれ少なかれ、いくらか。中国ではどれだけ、どれほど。「多少銭?」は「おいくら?」。
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〘連語〙 分量、程度の差はあっても皆一様に。多くても少なくても。多少とも。いずれにしろ。
※都会の憂鬱(1923)〈佐藤春夫〉「すれ違ふ人々が多かれ少かれ皆注目をした」
〘名〙
① 多いことと少ないこと。また、その多いか少ないかの程度。
※正法眼蔵(1231‐53)行持上「和尚この山に住してよりこのかた多少時也」
※太平記(14C後)二九「勢の多少はいまだ見ず」 〔老子‐六三章〕
② (「少」は助字) 多いこと。十分なこと。
※菅家文草(900頃)二・依言字重

裴大使「多少交情見
二一言
一、何関
三薄贈有
二微恩
一」 〔杜牧‐江南春詩〕
③ 数量、程度の少ないさま。副詞的にも用いる。いくらか。ちょっと。若干。
※菅家文草(900頃)六・早春内宴侍清涼殿同賦春先梅柳知「天与二芳菲一為二第一一、艷陽多少莫二空移一」
※浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉三「よし多少文三に心を動かした如き形迹が有ばとて」 〔南史‐蔡

伝〕
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