朝日日本歴史人物事典 「持明院基春」の解説
持明院基春
生年:享徳2(1453)
室町時代の公家。正三位,参議。父は基信。世尊寺家16代行高から書を学び,能書として著名。足利義澄のとき,室町幕府将軍家所用の征旗を揮毫した。また,文亀2(1502)年には,行高から相伝を受けた世尊寺家所伝の秘説を世尊寺家17代の行季に授けた。しかし,天文1(1532)年に行季が戦死して世尊寺家が断絶すると,後奈良天皇の勅許により,基春が入木道(書道の異称で,師匠から弟子にと継承される型にはまった書道をいう)を相承した。以後,持明院家が宮廷の書き役を奉仕することになり,宮廷書壇の中心をなした。<参考文献>小松茂美『日本書流全史』
(島谷弘幸)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報