持明院流(読み)ジミョウインリュウ

精選版 日本国語大辞典 「持明院流」の意味・読み・例文・類語

じみょういん‐りゅうヂミャウヰンリウ【持明院流】

  1. 〘 名詞 〙 和様の書道の一派。その書風室町時代、世尊寺派から分かれ、持明院基春流祖とする。持明院。
    1. [初出の実例]「書体〈略〉和様は御家流、持明院流、近衛流、嵯峨流」(出典:日本教育史資料(1890‐92)一九)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「持明院流」の意味・わかりやすい解説

持明院流
じみょういんりゅう

室町時代末に興った書道の流派。世尊寺流藤原行成始祖として歴代朝廷の書役に奉仕してきたが,享禄2 (1529) 年 17代行季の没後子孫が絶えたので,後奈良天皇の勅旨により世尊寺行高の門にあった持明院基春をこれにあてた。以後,持明院家は江戸時代まで存続し,書儀故実を伝えた。朝廷の書役は後水尾天皇のとき,大師流がこれに代った。

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世界大百科事典(旧版)内の持明院流の言及

【世尊寺流】より

…世尊寺の家系は室町時代に及び,1529年(享禄2)17代行季の死で断絶した。世尊寺家は代々朝廷の書役をつとめたが,その後は持明院基春の持明院流によって受け継がれた。世系とは別に,書風の上では世尊寺流から青蓮院流(尊円流)が出て御家(おいえ)流ともよばれ,江戸時代には最も普遍的な書道となった。…

※「持明院流」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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