挙銭(読み)きょせん

精選版 日本国語大辞典 「挙銭」の意味・読み・例文・類語

きょ‐せん【挙銭】

〘名〙 中世銭貨によって行なわれた利息付き貸付。出挙銭。こせん。
※近衛家本追加‐嘉祿二年(1226)正月二六日「可断私出挙利過一倍、并挙銭利過半倍事」

こ‐せん【挙銭】

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「挙銭」の意味・わかりやすい解説

挙銭
こせん

鎌倉時代金融一つ奈良平安時代に行われた出挙銭 (すいこせん) の後身皇朝十二銭以後,貨幣の流通は衰えたが,鎌倉時代に入り,商業が興ると,宋銭が輸入され流通するようになった。すると銭貨の出挙が再び現れ,これが挙銭と呼ばれた。公家,武家ともにその利息の高騰を抑制した。

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世界大百科事典(旧版)内の挙銭の言及

【出挙】より

…8世紀の例では744年に紫香楽(しがらき)宮の造営費用を捻出するために司別に一千貫を出挙した例や,写経所における月借銭(げつしやくせん)の例などがよく知られる。9世紀には山城,摂津,河内で治水事業の財源に銭出挙を利用したこともあり,平安京の西市には出挙銭所も設置されていた。銭以外では酒,布が対象となった例もあるが,民間において郡司らが農民の調庸物を代納することにより生じる債務関係も一種の財物私出挙となったことも見のがせない。…

※「挙銭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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