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出挙 すいこ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

出挙
すいこ

古代の貸付けの一種。公私の2種がある。公出挙とは,春,国司官稲を貸し与え,秋の収穫のとき5割ないし3割の利息をつけて返納させたことをいい,目的は,勧農救貧にあったが,奈良時代頃からは,貸付けも強制的になり,一種の雑税となった。私出挙は営利が目的で,利息も 10割に及んだ。 (→借貸 )

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百科事典マイペディアの解説

出挙【すいこ】

古代の利子付貸付け制度。出は貸出し,挙は利付きの貸付けの意。本来は凶作に備えてたくわえた穀物を新陳代謝するため,共同体成員の間で行われたらしい。律令国家成立後は,地方行政の費用に出挙の利子を充当するため,を蓄積して正税(しょうぜい)とし,その一部を営農資金の名目で出挙した(公(く)出挙)。
→関連項目公廨稲主税寮正税帳

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世界大百科事典 第2版の解説

すいこ【出挙 chū jǔ】

〈出〉は貸出し,〈挙〉は利付きの貸付け,〈出挙〉となると利貸の汎称
【中国】
 中国では日本古代律令制下のごとき制度用語としては用いられていない。しかし日本の出挙の源流には,春時農民に穀物(食糧ないし種子)を貸し付け,秋の収穫時に5割(ときには10割)の利息をつけて返還させる中国における一般的慣行の存在があった。本来は農民の再生産を保証する機能を担うべきものであったが,州県の財政収入として重視されるにいたり,公廨(こうかい)(官庁)の麦粟を強制的に貸し付け,凶作の際は抵当物件を差し押さえたりする収奪の手段となった。

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大辞林 第三版の解説

すいきょ【出挙】

すいこ【出挙】

古代の、利息を付けて稲や財物を貸し付ける制度。春に農民に官稲を貸し付け、秋に三割から五割の利稲とともに回収する。国が行う公出挙くすいこと私人が行う私出挙しすいことがある。公出挙は初め勧農・救貧を目的としたが、奈良中期以降強制的に行われ、一種の税となった。私出挙は稲のほかに銭や物を貸し付け五割から一〇割の高利を認められ、中世まで広く行われた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

出挙
すいこ

古代に行われた稲粟(とうぞく)、銭、財物の利息付き貸付。一種の高利貸であった。国家が行うものを公出挙(くすいこ)、民間で行われるものを私出挙といった。養老令(ようろうりょう)の規定では、稲粟出挙の利息は年に10割、公出挙の場合は5割であり、財物出挙は480日で利息が10割を超えてはならぬとされている。出挙の起源については諸説があるが、本来は端境(はざかい)期に食料や種稲を貸し与える共同体の慣行から出たものと考えられる。しかし律令(りつりょう)国家の地方財政が、田租として徴収した稲を直接支出せず、いったん出挙してその利息を消費するという形で運営されたため、出挙が国家財政の運用に欠かせぬものとなり、財政の膨張に伴って租税化していった。諸国で行われた公出挙の収支は、毎年作成される正税帳(しょうぜいちょう)に記載され、中央政府に報告された。出挙は初め個人を対象にして行われたが、平安初期には戸に貸し付けられるようになり、ついで田地に割り当てられて、田租と並ぶ土地税に変わってゆく。私出挙は貴族、豪族、有力農民らの重要な収入源であったが、生活に困窮した農民の側も出挙を必要としたため、出挙を媒介とする農民の隷属化が進んだ。ことに利息を返済できない場合に、債権者のもとで労働する役身折酬(えきしんせっしゅう)の制度は、農民の隷属を強めることになった。私出挙の弊害を認めた政府は、奈良時代から平安時代にかけて何度か禁令を出したが効果はなかった。[長山泰孝]
『薗田香融著『日本古代財政史の研究』(1981・塙書房)』

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世界大百科事典内の出挙の言及

【正税】より

…律令制下において諸国の正倉に収納されていた稲穀をさし,大税(たいぜい)ともいう。主として毎年の田租収入と正(大)税出挙(すいこ)の利息によって成り立っている。田租収入と出挙利息とのしめる割合は国や年度によっても異なるが,天平期においてはほぼ等しいか田租の方がやや多い程度とみられる。…

【利子】より

…このような定式化は,今日の新古典派経済学などにある程度の影響を及ぼしている。【堀内 昭義】
【歴史】

[日本]
 (1)古代 古代では一般に利,息利と表すが,出挙(すいこ)や月借銭(げつしやくせん)によるものが知られる。令の規定では稲粟出挙は利息は私出挙が1倍,公出挙は半倍を超えることは許されず,期間は1年とし,1年目の利息がすでについている元本に翌年以降利息をつけることや複利計算は禁止されていた。…

※「出挙」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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