日本大百科全書(ニッポニカ) 「捕虜取扱い法」の意味・わかりやすい解説
捕虜取扱い法
ほりょとりあつかいほう
正式名称は「武力攻撃事態における捕虜等の取扱いに関する法律」。平成16年法律第117号。いわゆる有事法制の「個別法」の一つとして、他の関連7法と同時に、2004年(平成16)6月14日に成立、6月18日に公布された。
この法律の目的は武力攻撃事態にあって、捕虜、衛生要員等を国際人道法に基づいて処置することにある。これまで日本は捕虜の待遇に関する1949年8月12日のジュネーブ条約(「第3条約」)を批准していたが、それを担保する国内法がなかったため、今回、それを整備したものである。批准当時(1953年)、「平和憲法」下で捕虜など考えられないという時代から、大きく時代が変わったことをうかがわせる法律である。
[松尾高志]
『内外出版編、西修監修『詳解有事法制――国民保護法を中心に』(2004・内外出版)』