外国軍用品等海上輸送規制法(読み)がいこくぐんようひんとうかいじょうゆそうきせいほう

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

外国軍用品等海上輸送規制法
がいこくぐんようひんとうかいじょうゆそうきせいほう

正式名称は「武力攻撃事態における外国軍用品等の海上輸送の規制に関する法律」。平成16年法律第116号。有事法制の「個別法」の一つとして、他の関連7法と同時に、2004年(平成16)6月14日に成立、6月18日に公布された。

 法律の目的は、武力攻撃事態の際に(武力攻撃予測事態ではできない)、日本の領海または日本周辺の公海で、防衛出動を命じられた海上自衛隊の部隊が、敵国の軍用品を海上輸送している船を停船検査し、または回航措置をとることができるよう、そのために手続きを定め、また外国軍用品審判所を設置し(防衛省所管)、そこでの審判手続きを定め、敵国がその軍用品を取得できないようにするもの。

 具体的には、防衛大臣は内閣総理大臣の承認を得て、停船措置を命ずることができ、その積荷が大量破壊兵器の場合は破棄し、鉄砲等の武器、弾薬等に該当する場合は輸送停止し、軍用品の海上輸送を反復して行う可能性のある船舶については航行停止の措置をとることができる。また、停船検査の結果、その積荷が軍用品である場合には当該船舶を日本の港に回航させ、船舶と積荷を外国軍用品審判所に送致することができる。外国軍用品審判所は積荷の留置、船舶の立ち入り検査等の権限をもつ。

 船舶の停船措置、立ち入り検査措置をとるに際して、これらの実効性確保のために自衛官は武器の使用が可能としている。

 全体として国際法上での臨検にあたる措置であるが、憲法の制約(交戦権の放棄)のため、実施する範囲を狭くしているのが特徴である。

[松尾高志]

『内外出版編、西修監修『詳解有事法制――国民保護法を中心に』(2004・内外出版)』

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