捨鐘(読み)ステガネ

デジタル大辞泉 「捨鐘」の意味・読み・例文・類語

すて‐がね【捨(て)鐘】

江戸時代時刻を知らせる鐘をつく前に、注意を引くためにつき鳴らした鐘の音。江戸では3回、京坂では1回。

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精選版 日本国語大辞典 「捨鐘」の意味・読み・例文・類語

すて‐がね【捨鐘】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 江戸時代、時刻を知らせる鐘をつく時、注意をひくために、まず三回つき鳴らすこと。また、その鐘の音。京坂地方では、一回。
    1. [初出の実例]「四つ手駕すてがねの内直がきまり」(出典:雑俳・柳多留‐一〇(1775))
  3. きまった回数の中に数えない回数。また、ほんのわずかな回数。
  4. 歌舞伎の下座の鳴物で、人物出入り、舞台転換のつなぎ、場面のつなぎなどのために鳴らされる銅鑼(どら)のこと。
    1. [初出の実例]「せりあげしやちがんどうぶんまはしという道具立のさんだんなら〈略〉捨鐘(ステガネ)忍び三重で出るのじゃあねへか」(出典洒落本・玉之帳(1789‐1801頃)一)

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