打楽器の一種。金属製体鳴楽器でゴングの類。皿形の薄手の金属盤を桴(ばち)で打奏するもので,厚手の鉦と区別される。中国では鑼といい,直径20~40cmくらいまで大小あり,縁につけた2孔に紐を通して片手につるし,片手に持った木柄で打つ。古くは西域楽や軍楽に用いられたが,のちに戯劇の合奏に用いられるようになった。中国,朝鮮の雲鑼(うんら)は,銅製の小鑼を十数個枠につるしたもの。日本の銅鑼(度鑼)は,中国から仏寺に伝わった鑼が広まったといわれ,仏教音楽で用いるものを特に鐃(によう)と呼ぶ。日本の銅鑼は,手あるいは木枠につるし,棒の先端を球状に布で包んだ桴で普通は外面の中央を打つ。歌舞伎で縁を打つときは細桴を用いる。盤の直径30cmくらいから大小あり,歌舞伎囃子,明清楽,民俗芸能,寄席などでも用いられるが,民俗芸能では長崎の唐子踊(からこおどり)(獅子舞),沖縄の打花鼓(たーふあーく)や獅子舞など中国的な芸能に使用することが多い。多数のいぼを打ち出した疣銅鑼(いぼどら)と呼ぶ小型のものもある。また茶の湯では茶事の際,中立ちして腰掛けにいる客を迎える合図に銅鑼を用い,通常7点打つ。銅製の円盆形で,中央部が半球形に突起していて,その部分を打つ。
執筆者:三谷 陽子
詩誌。1925年4月創刊,28年6月終刊。全16冊。草野心平が黄瀛(こうえい)らの協力を受け中華民国広州嶺南大学銅鑼社から謄写版印刷で創刊。3号以降は日本で発行,6・8・9号と11号以降は活版印刷で刊行された。草野を中心にした友愛的結合により当時の新詩人たちが集まり,全体として〈詩的アナーキズム〉(伊藤信吉)といった雰囲気が渦巻く中で,各自がその個性を発揮し,鮮烈なエスプリを発散したが,10号(1927年2月)以降,アナーキズムへの傾斜を強めた。おもな同人は草野,黄のほか赤木健介,尾形亀之助,岡田刀水士,岡本潤,小野十三郎,原理充雄,坂本遼,高橋新吉,手塚武,萩原恭次郎,土方定一,宮沢賢治,三好十郎らで,高村光太郎,尾崎喜八らも寄稿した。
執筆者:飛高 隆夫
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東アジアのゴング系体鳴楽器。青銅製円盤の中央がやや膨らみ、周囲に縁どりをして、多くは台付き枠の中につり下げて桴(ばち)で打ち鳴らす。つり下げ紐(ひも)を直接手で持つこともある。東南アジアのこぶ付きゴングと違って一つの明確な音高を出すのでなく、円盤面の複雑な振動の混合として響くので、さまざまな音高が混じり合う。その独特の音響のために、出港の合図や、西洋人による東洋描写音楽などに利用される。
[山口 修]
…さらにハープ系弦楽器は前3000年代に,両面太鼓は前2000年代に,シンバルやリュート系弦楽器,金属製のらっぱなどは前1000年以後に現れたといわれる。紀元後に初めて現れたものには,笙,銅鑼(ゴング),弓奏弦楽器などがあるとされる。 これらは,現在までに発見された限られた考古学的資料に基づいて推定されたものなので,今後,新しい資料の発見によって変わりうるものである。…
…一般に銅鑼(どら)と呼ばれる金属製の丸盆ないし円盤状の体鳴楽器。青銅で作られたものが多く,普通その中央部が打ち鳴らされる。…
…打楽器の一種。18世紀末に東アジアの大型の銅鑼(どら)がヨーロッパの管弦楽の中に取り入れられた際につけられた名称。本来は楽器の名称に多い擬声語で,南インドの大型の枠型太鼓の名称タミタムtammittam(マラヤーラム語)をはじめ,アフリカの木製打楽器,アメリカ・インディアンの太鼓,ニューギニアの竹胴の太鼓など広範囲の打楽器に類似の名称がつけられている。…
…〈どう〉ともいう。鉦(かね)・銅鑼(どら)の類,鈴(れい)類,銅鈸(どうばつ)類のいずれについても用いられた名称。古代中国では舌をもたない大型の鈴をいい,のちには舌をつけたものも指す。…
※「銅鑼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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