掃(漢字)

普及版 字通 「掃(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 11画

(旧字)
11画

(異体字)
11画

[字音] ソウ(サウ)
[字訓] はく

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 形声
旧字はに作り、帚(そう)声。〔説文〕七下に帚をの字とし、を収めていない。帚は卜文では(婦)の初文。〔説文〕十三下の字とするが、経籍にはみなを用いる。〔詩、風、東山〕に「穹室を洒(さいそう)す」とあり、〔周礼、夏官、隷僕〕に「五寢の除糞灑(ふんさい)の事を掌る」とみえる。とはもと寝を洒掃することで、〔韓非子、難三〕に「宗をして除せられず、稷(しやしよく)をして血せざらしむ」とは、国の滅亡することをいう。寢(寝)とはの正寝、帚は鬯酒(ちようしゆ)(鬯草で香りをつけた酒)を(そそ)いで清める意で、寢は古くはと書かれ、あるいは(しん)に従う字であった。掃除の除は、神の陟降する聖域を、余(大きな針)で除(はら)い、祓い清めて塗絶することをいう。

[訓義]
1. はく、はらう、はらいきよめる。
2. そうじする、のぞく。
3. とる、すっかりなくする。
4. なする、かすめる、ふるう。

[古辞書の訓]
名義抄 ハキクヅ・ハラフ・シヅム 〔字鏡集 ハキクヅ・ハラフ・ノゾク・ハク・シハ(ヅ)ム

[語系]
)su、帚tjiuは声近く、帚はもと鬯酒をそそいで祓い清める意。(祝)tjiuは帚と同声で、のろう意がある。それも祓うことの一つの方法であった。

[熟語]
掃夷・掃掃興掃径・掃逕・掃灑・掃洒掃済掃刷・掃愁・掃除・掃拭掃塵掃清掃地掃定掃庭・掃滌・掃盪・掃掃眉・掃掃墓掃滅掃門
[下接語]
一掃・帰掃・揮掃・駆掃・掃・渾掃・洒掃・灑掃・清掃

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報