採薪の憂い(読み)さいしんのうれい

精選版 日本国語大辞典 「採薪の憂い」の意味・読み・例文・類語

さいしん【採薪】 の憂(うれ)

(病身でたきぎとりにも出られないの意) 自分病気をへりくだっていう語。
※新編覆醤続集(1676)一〇「帳惟之裏且誦且閲殆似採薪之憂」 〔孟子‐公孫丑〕

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故事成語を知る辞典 「採薪の憂い」の解説

採薪の憂い

自分の病気を、へりくだっていうことば。

[由来] 「孟子こうそんちゅう・下」に見える話から。紀元前四世紀、戦国時代の中国でのこと。孟子は、せいという国の王の政治顧問をしていました。あるとき、王から来てほしいとの要請がありましたが、孟子は、顧問が自分から会いに行くべきではないと考えて、病気を口実に断ります。翌日、孟子が外出したところ、その間に王から見舞いの使者がやって来ました。そこで、留守番をしていた者は「昨日は王様からのご命令を受けましたが、『さいしん憂い(たきぎ集めにも出られないほどの体調不良)』(「采」は「採」と同じ)がありましたので」と答えた、ということです。

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