掻上・掻揚(読み)かきあげ

精選版 日本国語大辞典の解説

かき‐あげ【掻上・掻揚】

〘名〙 (動詞「かきあげる(掻上)」の連用形の名詞化)
① 上の方へひきあげること。寄せ集めてきて上に積むこと。
② 灯心などをかき立てて、明るくすること。
※評判記・色道大鏡(1678)一二「肥前国嶋原陣落去の砌(みぎり)として、郭の構へ一郭一門にして、四方按揚(カキアケ)の堀なるが」
④ 雅楽の羯鼓(かっこ)の打ち方の一つ。強く、細かく打って、調子を少し速くするもの。⇔掻下(かきさげ)
※楽家録(1690)一七「掻上(カキアケ)者、諸来三文共、細強(こまかにつよく)撃之謂也。用此法則声易進、故奏楽遅緩則用之」
⑤ テンプラの一種。貝柱、白魚、細かく切ったいかなどを衣でつないで油であげたもの。
巷談本牧亭(1964)〈安藤鶴夫〉ある初夏に「かき揚げが揚がっててよ」

かき‐あ・げる【掻上・掻揚】

〘他ガ下一〙 かきあ・ぐ 〘他ガ下二〙
① 上の方へひきあげる。かかげる。
※霊異記(810‐824)中「袴を塞(カキアケテ)(はぎ)を見れば〈国会図書館本訓釈 搴 可岐阿ケテ〉」
② 灯心をかき立てて明るくする。
※篁物語(12C後か)「ようさり、火をほのかにかきあげて泣き臥せり」
③ 寄せ集めてきて上に積む。
※天草本平家(1592)三「フタツ ノ カワ ノ ヲチアイ ニ タイボク ヲ タテテ、サク ヲ ツイテ caqiaguetareba(カキアゲタレバ)
④ 上の方へ櫛(くし)を動かして、髪をすく。
※はやり唄(1902)〈小杉天外〉六「『まア、何て云ふ頭髪だらう、解いて貰はうか知ら』と云って、額に皺を寄せてぐいぐいと強く掻上(カキア)げ」
⑤ (「かき」は支払う意。「あげる」はすっかりする意) すっかり支払う。
※浮世草子・世間胸算用(1692)四「皆銀(かね)の利にかきあげ、人奉公して気をこらしける」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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