擯出(読み)ヒンシュツ

デジタル大辞泉 「擯出」の意味・読み・例文・類語

ひん‐しゅつ【×擯出】

《「ひんじゅつ」とも》人をしりぞけること。のけものにすること。擯斥ひんせき
一門に―せられて源氏に背かれぬ」〈盛衰記・三〇〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「擯出」の意味・読み・例文・類語

ひん‐ずい【擯出】

  1. 〘 名詞 〙 ( [梵語] pravrājana または nāśana の訳。滅擯・駆擯などと訳し、または略して擯ともいう ) 仏語。戒を犯した比丘などに対する罰の一種。比丘を追放して他と共住させないもの。
    1. [初出の実例]「禁断僧尼出入里舎事。〈略〉自今以如有此類。擯出外国。安置有供養定額寺」(出典類聚三代格‐三・延暦四年(785)五月二五日)
    2. 「もし妄語するものあれば擯出す」(出典:十善法語(1775)四)
    3. [その他の文献]〔法華経‐安楽行品〕

ひん‐しゅつ【擯出】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 「ひんじゅつ」とも ) しりぞけること。人を、しりぞけ追い出すこと。擯斥
    1. [初出の実例]「源氏の名折(なおり)不審也とて一門に擯出(ヒンジュツ)せられ」(出典:源平盛衰記(14C前)三〇)
  3. ひんずい(擯出)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android