十善法語(読み)ジュウゼンホウゴ

デジタル大辞泉 「十善法語」の意味・読み・例文・類語

じゅうぜんほうご〔ジフゼンホフゴ〕【十善法語】

江戸時代法語集。12巻。慈雲尊者飲光おんこう著。十善戒の意味内容および功徳くどくを説いたもの。口語体文語体の2種があり、口語体本は文政7年(1824)刊。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「十善法語」の意味・読み・例文・類語

じゅうぜんほうごジフゼンホフゴ【十善法語】

  1. 慈雲尊者飲光(おんこう)が十善戒の意味内容および功徳を、多く典籍を引用しながら親しみ深く説いた法語。一二巻。安永二年(一七七三)から翌年にかけて京都阿彌陀寺で定期的に講義されたものが、同四年にまとめられたものという。口語体本・文語体本の二種がある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「十善法語」の意味・わかりやすい解説

十善法語
じゅうぜんほうご

江戸時代の仏書。12巻。正法律(しょうぼうりつ)の開祖慈雲(じうん)(飲光(おんこう))の主著。義文尼(ぎぶんに)(大蔵丞(おおくらすすむ)の娘)、慧琳尼(えりんに)(桃園(ももぞの)天皇第2皇子伏見(ふしみ)親王保母)の請(こい)により、1773年(安永2)から75年にかけて、慈雲が毎月8日、23日に講じた法語をまとめたもの。その主旨は、十善(身(しん)・口(く)・意(い)の三業(さんごう))によるいっさいの生活活動が、正法の理に順ずるとする十善の戒相(かいそう)、およびその功徳(くどく)について説かれており、明治仏教に与えた影響は大きい。この法語には口語体本(1824)と文語体本(開刻年代未詳)の2種類があり、口語体本は『日本大蔵経(だいぞうきょう)』第15巻、『慈雲尊者全集』第11巻に、文語体本は同全集第12巻に収録されている。

[池田英俊]

『出口常順・平岡定海編『仏教教育宝典2 聖徳太子・南都仏教集』(1972・玉川大学出版部)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android