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改正国家公務員退職手当法 かいせいこっかこうむいんたいしょくてあてほう

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知恵蔵2015の解説

改正国家公務員退職手当法

1953年に公布された「国家公務員退職手当法」は、国家公務員が退職した場合に支給する退職手当の基準を定めたもの。しばしば改正が行われ、民間企業の水準に照らした見直しが続けられてきた。2012年11月には「国家公務員の退職給付の給付水準の見直しなどのための国家公務員退職手当法等の一部を改正する法律」(平成24年法律第96号)による大幅な調整が図られた。これにより、退職手当が約15パーセント、平均額面にしておよそ400万円が減額される。総務省によれば、国家公務員の分で年間600億円、地方公務員分では全自治体が同調すれば年3400億円の人件費削減ができるとしている。
退職金制度は、勤続報酬、生活保障、賃金後払いなど複合的な要素を加味して構成されている。退職金の算定は各企業により異なるが、一般には退職時の俸給月額に一定の支給率を乗じ、調整額を加えて額面を算出している。総務省によれば、国家公務員の退職金は、永年の勤続による公務についての貢献に対する報償という意味合いが強いという。このため、退職事由が自己都合か定年・勧奨かなどによって支給率に相当の差が生じる。1973年度には、民間企業の退職金水準が高度経済成長期に上昇して、官民格差が2割ほどに開いた。このため、公務員退職手当の20パーセント引き上げが行われた。後に官が民を1割ほど上回るという逆転が生じ、81年には引き上げ幅を圧縮。官民はほぼ均衡するが、85年には長期勤続者の支給率を引き下げ、早期退職特例措置を新設するなどの調整が行われた。2003年にも、官が民を上回り引き上げ額は4パーセントにまで縮小された。これ以降も、経済情勢の悪化や終身雇用慣行の見直しなどが進むなかで、民間の退職金水準は目減り傾向をたどり、12年の人事院の報告では官が14パーセント近く民を上回る結果となった。同年の改正は、これを受けたもの。
団塊世代の退職時期を迎え、退職手当債などで引き当てを重ねている地方公共団体も多く、総務省の求めにより、国とほぼ歩調を合わせて引き下げを行うことになった。開始時期は、定年退職者が集中する時期に狙いを定め、3月から実施とするところが多く、これに間に合うよう駆け込みで退職する公務員が多数に上った。学年途中の教員なども含まれ、「無責任では」との非難もあるが、識者からはあえてそのような時期を設定した国や自治体に責任があるとの声が大きい。これらを受けて年度内の引き下げを見送り、4月1日からの実施にする地方公共団体も出てきている。

(金谷俊秀  ライター / 2013年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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