改訂新版 世界大百科事典 「改質法」の意味・わかりやすい解説
改質法 (かいしつほう)
reforming process
化学反応によって炭化水素の組成や構造を変える技術をいい,リフォーミングとも呼ばれる。たとえば,石油ナフサを水蒸気とともにニッケル触媒上で700~900℃で反応させると,水素と一酸化炭素を主成分とする合成ガスが得られる。これを水蒸気改質(スチームリフォーミング)という。また,石油ナフサを水素の存在下に,白金と酸性アルミナから成る触媒上で,約500℃,15~50気圧の条件下で反応させると,オクタン価の高いガソリンが得られる。これを接触改質と呼ぶ。この方法では,オクタン価の低いn-パラフィンがオクタン価の高いイソパラフィンに異性化する反応,またn-パラフィンが環化,脱水素して,やはりオクタン価の高い芳香族炭化水素を生成する反応が起こる。この反応を利用して,石油を原料として,化学原料としてのベンゼン,トルエン,キシレン類を生産することも工業的に実施されている。
執筆者:冨永 博夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報