接触改質(読み)セッショクカイシツ

デジタル大辞泉 「接触改質」の意味・読み・例文・類語

せっしょく‐かいしつ【接触改質】

ガソリンなどの炭化水素組成性質を、触媒を作用させて改質すること。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「接触改質」の解説

接触改質
セッショクカイシツ
catalytic reforming

リホーミングともいう.もともと低オクタン価の重質ナフサを触媒の作用により高オクタン価ガソリンに転化させる操作をいうが,主反応がシクロアルカン脱水素による芳香族の生成であることから,石油化学工業原料BTX(ベンゼン,トルエン,キシレン)の製造にも使われる.接触改質によって得られるガソリンを改質ガソリンまたはリホーメートといい,わが国の市販ガソリンの大きな部分を占めている.工業的にきわめて多くの方式が実施されているが,基本的にはハロゲン(おもに塩素)を添加した白金-アルミナ触媒を用いている.近年,PtにRe,Snなどの金属を加えた二元金属触媒をおもに使用するようになった.反応方式も固定層式から触媒を連続的に再生できる移動層式へと変化している.これらの各方式では,重質ナフサ水素化精製した後,4~15 kg cm-2 の水素加圧下,500 ℃ 前後の温度において触媒上で反応させる.主反応はシクロアルカンの脱水素による芳香族化とアルカン水素化分解で,低級化したアルカンの異性化,環化脱水素(芳香族化)などの反応もある程度起こる.生成ガソリンは芳香族含有量が多く,オクタン価約90以上となる.また,石油化学工業原料のBTXの製造では,リホーメートを溶剤抽出後精留して高純度の製品を得ている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典 第2版 「接触改質」の意味・わかりやすい解説

せっしょくかいしつ【接触改質 catalytic reforming】

直留重質ナフサなどを原料として,高オクタン価ガソリンあるいは化学原料としてのベンゼン,トルエン,キシレンなどの芳香族炭化水素を生産する目的で行われるプロセスをいう。この反応は固体酸を担体とした白金系触媒を用い,水素加圧下で行われる。 原油を常圧蒸留して得られる直留重質ナフサ(沸点約80~180℃)は多くの場合,オクタン価が低く,芳香族含有量も少ない。しかしその主成分であるパラフィンあるいはシクロパラフィンを次のような反応によって芳香族炭化水素に変換(改質)することができる。

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世界大百科事典内の接触改質の言及

【改質法】より

…また,石油ナフサを水素の存在下に,白金と酸性アルミナから成る触媒上で,約500℃,15~50気圧の条件下で反応させると,オクタン価の高いガソリンが得られる。これを接触改質と呼ぶ。この方法では,オクタン価の低いn‐パラフィンがオクタン価の高いイソパラフィンに異性化する反応,またn‐パラフィンが環化,脱水素して,やはりオクタン価の高い芳香族炭化水素を生成する反応が起こる。…

※「接触改質」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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