改訂新版 世界大百科事典 「改革法典」の意味・わかりやすい解説
改革法典 (かいかくほうてん)
Reformationen
15世紀後半から17世紀にかけてドイツの多数の都市や領邦で成立した立法作品で,〈ローマ法の継受〉に対応して都市法やラント法を改良・革新しようとしたもの。ローマ・カノン法への同化がどの程度みられ,また旧来の固有法をいかに維持しているかは,個々の法典によって差異がある。概して改革都市法典の方が先行し(1479年ニュルンベルク,99年ウォルムス,1509年フランクフルト(・アム・マイン),20年フライブルク(ツァジウスの起草),74年リューネブルク,78年フランクフルト(フィヒャルトによる改訂)),改革ラント法典はやや遅れ,しかも往々前者に依存して成立した(1518年バイエルン,27年ブランデンブルク,55年ビュルテンベルク(ジッヒャルトの起草),71年ゾルムス(フィヒャルトの起草),72年クールザクセン)。これらは大きく二つのタイプに,すなわち,ローマ・カノン法的訴訟手続を基礎とした裁判条令であって,これに実体私法(とくに相続法,婚姻法,後見法)の規定がところどころに混入ないし付加されているもの(1509年フランクフルト,ウィッテンベルク)と,実体私法が独立して訴訟法と並ぶ構成のもの(ニュルンベルク,フライブルク,ゾルムスその他)とに分けられる。これに対し,ザクセンの法実務の中で生じた諸論争に公権的決定を下したクールザクセンの法典は独特のタイプをなしている。
執筆者:佐々木 有司
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報