放射生態学(読み)ほうしゃせいたいがく(その他表記)radioecology

翻訳|radioecology

改訂新版 世界大百科事典 「放射生態学」の意味・わかりやすい解説

放射生態学 (ほうしゃせいたいがく)
radioecology

放射性物質の人間環境中での挙動ならびにそれによる生物影響に関する学問。大気中での核実験にひき続いて大量に降下した放射性降下物の環境中での挙動を追跡することにより発達し,現在では原子力施設等に起因する環境放射能による住民の被曝(ひばく)線量推定にあたっての基礎を提供している。場所に着目して,海洋放射生態学および陸上放射生態学に分けて考えるのが普通である。海洋放射生態学では,海水から海産生物あるいは底質への放射性物質への濃縮係数あるいは移行係数とそれを修飾する種々の因子の解明が主要な課題であり,陸上放射生態学では,大気から農産物への沈着率,土壌から植物への移行,植物から動物への移行,土壌中での放射性核種の挙動,河川水および地下水系での放射性核種の挙動などが大きな研究課題である。いずれも定量的な評価が重要である。
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