本来の教会国家は教皇領の意味であるが,皇帝教皇主義の反対語として用いられ,神政政治と同義に解される。世俗権力を教権のもとに服属させる国家の形態をいう。中世ヨーロッパにおいてはカトリック教会の理想とされ,ルカ伝の「両剣論」(聖・俗両剣はともに教会に属し,前者は直接教会の手で,後者は教会の委託により俗権の手で用いられるという理論。12世紀のベルナルドゥスなどに引用されている)を根拠として,グレゴリウス7世からウルバヌス2世をへて,インノケンティウス3世時代にその実現をみた。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
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