教会国家主義(読み)きょうかいこっかしゅぎ

精選版 日本国語大辞典 「教会国家主義」の意味・読み・例文・類語

きょうかい‐こっかしゅぎ ケウクヮイコクカシュギ【教会国家主義】

〘名〙 国家権力教会を通じて神から授与されるものであり、国家権力は教会の支配下にあると見なす主張。中世ヨーロッパで教皇権と皇帝権が対立したとき唱えられ、インノケンティウス三世(一一九八‐一二一六)の時代に確立された。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「教会国家主義」の解説

教会国家主義(きょうかいこっかしゅぎ)
Church State Theory[英],Kirchenstaatstum[ドイツ]

本来の教会国家は教皇領の意味であるが,皇帝教皇主義の反対語として用いられ,神政政治と同義に解される。世俗権力を教権のもとに服属させる国家の形態をいう。中世ヨーロッパにおいてはカトリック教会の理想とされ,ルカ伝の「両剣論」(聖・俗両剣はともに教会に属し,前者は直接教会の手で,後者は教会の委託により俗権の手で用いられるという理論。12世紀のベルナルドゥスなどに引用されている)を根拠として,グレゴリウス7世からウルバヌス2世をへて,インノケンティウス3世時代にその実現をみた。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「教会国家主義」の意味・わかりやすい解説

教会国家主義
きょうかいこっかしゅぎ

ヨゼフィニスムス」のページをご覧ください。

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