教育総監部(読み)きょういくそうかんぶ

改訂新版 世界大百科事典 「教育総監部」の意味・わかりやすい解説

教育総監部 (きょういくそうかんぶ)

陸軍の教育統轄機関。教育総監部は1898年1月に監軍部を廃して新設され,陸軍大臣管轄の下に陸軍教育を管掌した。1900年4月の同部条例改正によって教育総監部は天皇直隷の機関となり,その長である教育総監は参謀総長,陸軍大臣と並び陸軍三長官の一つとなった。この制度は陸軍の最後まで続き〈陸軍全般ノ教育ノ斉一進歩ヲ規画〉した。総監の下に騎,砲,工,輜重(しちよう)の各兵監があり,当該兵科の教育に関する調査研究・審議立案にあたり,陸軍騎兵学校等諸学校を管轄した。後任陸相の推薦を三長官の一致に基づいて行うとの内規に基づく,いわゆる陸軍三長官会議の慣例は24年清浦奎吾の組閣のおりにつくられ,軍部大臣武官制とあいまって軍部の政治的独立制を強化した。45年敗戦後廃止。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「教育総監部」の意味・わかりやすい解説

教育総監部
きょういくそうかんぶ

陸軍の教育を管轄した中央機関。その前身は1887年(明治20)に設置された監軍部で、監軍部の職権の一つに「陸軍軍隊練成の斉一を規画する」ことがあげられ、天皇に直属する機関であった。98年1月、監軍部を廃止して、新たに教育総監部が設置された。この教育総監部は陸軍大臣の管轄下に教育に関する諸条規、典範改良を図ることを任務としていた。1900年(明治33)4月教育総監部条例が根本的に改正され、教育総監は天皇に直隷し、「陸軍全般の教育の斉一進歩を規画する」ことが任務となった。以後45年(昭和20)に廃止されるまで、教育総監は、陸軍大臣、参謀総長と並ぶ陸軍三長官の一人であった。

藤原 彰]

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世界大百科事典(旧版)内の教育総監部の言及

【監軍】より

…また,監軍は勅を奉じ検閲使ともなった。98年監軍部は廃止され,教育総監部に再編された。こうして(1)の監軍が有していた,教育の任務は教育総監部へ,軍令事務執行は師団司令部へ,検閲は検閲使へ,憲兵的機能は憲兵へとおのおの分化していった。…

※「教育総監部」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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