散杖(読み)サンジョウ

デジタル大辞泉 「散杖」の意味・読み・例文・類語

さん‐じょう〔‐ヂヤウ〕【散×杖】

真言宗で、加持のときに香水こうずいを壇や供物にまき散らすのに使うつえ状の仏具。柳・梅などの枝で作る。灑水杖しゃすいじょう

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精選版 日本国語大辞典 「散杖」の意味・読み・例文・類語

さん‐じょう‥ヂャウ【散杖】

  1. 〘 名詞 〙 仏具の一つ密教修法のとき、香水を散ずるのに用いるつえ状のもの。梅、柳などの枝で約三五~五五センチメートルぐらいの長さに作るが、一定していない。また、一流では杖頭に八重蓮華を刻む。
    1. [初出の実例]「真言僧綱進跪立、加持香水〈灌水机立額南間、上置散杖香水〉」(出典西宮記(969頃)一)
    2. 「聖、眠(ねむり)ながら散杖をとりて、香水にさしひたして、四方にそそく」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)一三)
    3. [その他の文献]〔十八道口決‐本〕

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世界大百科事典(旧版)内の散杖の言及

【洒水】より

…洒水用の浄水は,洒水器と称する金属製の小鉢に入れて置く。洒水をするときは,これを机上に置くか左手に保持するかして,右手に持つ散杖(さんじよう)の先で水をかき回しながら真言を唱えて浄水に霊力を与えた後,一定の所作で散杖を振って浄水を散らす。洒水は,導師等が着座のまま行う場合と,洒水師,呪師(しゆし)等が道場内を巡回しながら行う場合とあり,また職衆(しきしゆう)が道場に入る際に身を清める簡単な洒水もある。…

※「散杖」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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