文政審議会(読み)ぶんせいしんぎかい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「文政審議会」の意味・わかりやすい解説

文政審議会
ぶんせいしんぎかい

内閣直属の審議機関。 1924~35年まで長期にわたって存続,12の答申を可決した。臨時教育会議と教育審議会との間に設けられ,大正デモクラシーや社会主義思想の興隆と,国家による教育の総動員体制の谷間の昭和初期において,さまざまな教育案件に対する審議と建議を行なった。答申のおもな内容は,中学校の大衆化への対応と,公民科,作業科の新設高等小学校の準中等学校化,師範教育制度の改善,陸軍現役将校による教練の強化,青年訓練所・青年学校の新設,幼稚園令公布,大阪帝国大学の新設,である。

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世界大百科事典(旧版)内の文政審議会の言及

【国民精神作興詔書】より

…詔書発布の直後に内務省社会局長官は主要教化団体の代表者と協議して1924年1月に全国教化団体連合会を発足させ,教化運動の連絡提携と教化網の整備にのりだした。時の第2次山本権兵衛内閣は虎の門事件で倒れたが,代わった清浦奎吾内閣は24年4月に文政審議会を設置し,教育界のほか政,官,軍,財など各界の有力者を委員として国民精神作興の具体策を審議させた。ここでは普通選挙と治安維持法の成立に対応して学校軍事教練,青年訓練,道徳教育などが議決され,青年教育の軍国主義化が企図された。…

※「文政審議会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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