新冠郡（読み）にいかつぷぐん

日本歴史地名大系

新冠郡
にいかつぷぐん

• 北海道：北海道
• 日高国
• 新冠郡

明治二年（一八六九）八月に設置された郡。「公文録」には「新冠（にいかふ）」とある。旧ニイカップ場所の領域を継承し、郡名も松浦武四郎の提案で同場所の名称を踏襲した（「郡名之儀ニ付奉申上候条」松浦家文書）。日高国の中央部、北西寄りに位置し、現在の新冠町の町域にあたる。南東は静内（しずない）郡に、北西および北は沙流（さる）郡に、東は十勝国河西（かさい）郡に接し、南西は太平洋に臨む。郡北東部には幌尻（ぽろしり）岳など日高山脈の高山がそびえ、これら山岳地を水源にする新冠川が中央部を流れる。明治二年八月、阿波徳島藩の支配地となる。同年九月場所請負制度の廃止により、ニイカップ場所請負人浜田佐治兵衛は罷免となり、函館の高田篤太郎が御用達となった。同四年三月には徳島藩淡路洲本城代家老の稲田邦稙の支配に転換されるが、同年八月開拓使の管轄となった（「事業報告」第一編、「日高開発史」）。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」