新日本婦人の会(読み)しんにほんふじんのかい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「新日本婦人の会」の意味・わかりやすい解説

新日本婦人の会
しんにほんふじんのかい

平和や女性の権利の実現を掲げ、暮らしに密着した具体的要求を実現していく運動を展開する、個人参加、全国単一組織の女性団体。略称、新婦人。1962年(昭和37)1月、河崎なつ(1889―1966)、櫛田(くしだ)ふき(1899―2001)、羽仁説子(はにせつこ)(1903―1987)ら32名の女性が呼びかけて、1962年10月19日結成大会がもたれた。初代代表委員は平塚らいてう、丸岡秀子(まるおかひでこ)(1903―1990)、勝目(かつめ)テル(1894―1984)ら5名、事務局長小笠原貞子(1887―1988)。次の5項目を目的としている。(1)核戦争の危険から女性と子どもの生命を守る、(2)憲法改悪反対、軍国主義復活阻止、(3)生活向上、女性の権利、子どもの幸せ、(4)日本の独立と民主主義、女性の解放、(5)世界の女性との連帯、永久平和。活動の基礎組織に市町村にまで広がる班を置き、結成当初から、反戦・平和、女性、教育、福祉の問題などについて広範な活動を展開している。他団体との共闘活動も多く、国際婦人年連絡会にも所属。草の根の要求運動と国政とを直接に結ぶ活動も活発化し、2003年(平成15)には国連NGO非政府組織)に登録された。機関紙新婦人しんぶん』(週刊)を発行

[石崎昇子 2022年7月21日]

『「新日本婦人の会の四〇年」編纂委員会編『新日本婦人の会の四〇年1962~2002』(2002・新日本婦人の会)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の新日本婦人の会の言及

【女性運動】より

…また平和運動,原水爆禁止運動にはたくさんの女性が参加し,〈母親大会〉(1955発足)はその声の集約となった。しかし,最大の組織である〈全国地域婦人団体連絡協議会〉(地婦連)が,戦時中の女性団体の行政癒着的性格を払拭しきれないで存在する一方で,1960年代から女性運動に対する政党による系列化が進み,社会党系の〈日本婦人会議〉,共産党系の〈新日本婦人の会〉,民社党系の〈民主婦人の会〉,公明党系の〈主婦同盟〉が結成され,〈働く婦人の中央集会〉(総評,日本婦人団体連合会などが中心となり,女性労働者の交流と学習のために1956年以降毎年開催)にも政党が影を落とすようになった。
[ウーマン・リブ以降]
 1960年代後半に,アメリカ合衆国でウーマン・リブwomen’s lib.(women’s liberation)の運動が発生し,急速に世界各地に波及した。…

※「新日本婦人の会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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