非政府組織(読み)ヒセイフソシキ(その他表記)non-governmental organization

デジタル大辞泉 「非政府組織」の意味・読み・例文・類語

ひ‐せいふそしき【非政府組織】

エヌ‐ジー‐オー(NGO)

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共同通信ニュース用語解説 「非政府組織」の解説

非政府組織(NGO)

飢餓や貧困、環境、平和や人権など世界的な問題に利益を目的とせずに取り組む民間国際協力組織。元々は国連の活動を巡り、国際機関各国政府の代表機関と協力する政府以外の非営利組織を指すため「非政府」組織と呼ばれた。高い専門性を持ち、主に海外で広範な協力、支援活動に従事している。(共同)

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精選版 日本国語大辞典 「非政府組織」の意味・読み・例文・類語

ひせいふ‐そしき【非政府組織】

  1. 〘 名詞 〙エヌジーオー(NGO)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「非政府組織」の意味・わかりやすい解説

非政府組織
ひせいふそしき
non-governmental organization

略称NGO。国際的であると国内的であるとを問わず、民間団体をいうが、とくに、国際組織のうち、国家を単位として設立される政府間国際機構IGO)に対する、非政府間国際団体をさして用いられる。国際連合憲章第71条に従って国連と関係をもつNGO(国連NGO)の資格要件の主たるものは、政府間協定によらず創設された常設的かつ安定的組織であり、その組織の目的が国連の精神に合致していることが必要である、財源が特定国政府からの援助に偏ってはならないなどである。また、1996年の経済社会理事会の決議により、これまで「3か国以上に支部を有すること」という条件は削除された。

 国連NGOは、国連経済社会理事会との協議取決めによって三つの等級に分けられる。(1)理事会活動の大部分に関心を有する一般協議資格団体。赤十字など。(2)理事会活動の一部にのみ関心を有する特別協議資格団体。アムネスティ・インターナショナルなど。(3)臨時的に協議資格を有する登録団体。

[香西 茂]

開発途上国への援助活動

政府開発援助ODA)が、国家間の協定によって実施される大規模な経済・社会インフラストラクチャー(基盤)の整備を主たる目的としており、即効性の点で限界があるのに対し、NGOはいまなお小規模ではあるものの、被援助国の住民ニーズにきめ細かく柔軟に対応でき、効率的であるという長所をもっている。さらに、前者が発展途上国の工業化を中心に、上からの近代化を指向しているのに対し、後者はその内発的参加型開発を重視しているものといえる。日本にも、国際協力活動を行うNGOが400以上存在するとみられているが(2020年3月現在、外務省資料)、資金・人材面で多くの困難に直面しているのが、その実情である。

[村上 敦]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「非政府組織」の意味・わかりやすい解説

非政府組織
ひせいふそしき
non-governmental organization

略称 NGO。私人によって構成される民間の国際協力組織で,おもに開発,経済,人権,人道,環境などの地球規模の問題に取組む。もとは非営利組織 NPOとほぼ同義であったが,習慣的に使い分けられるようになり,高い専門性を持ち,おもに海外で広範な国際協力活動に従事する組織を NGO,国内で福祉,教育,環境などの活動を主体とする組織を NPOと区別することが多い。 NGOとは,もともと国連の場で,国連諸機関と協力関係にある政府以外の非営利組織を指していた言葉で,国連憲章第 71条では NGOと国連との協力について,「経済社会理事会は,その権限内にある事項に関係のある非政府組織と協議するために,適当な取決めを行うことができる」と規定。具体的には,経済社会理事会は NGOから専門的な情報や助言を得る,あるいは NGOに対して経済社会理事会やその補助機関の会議に出席して意見を表明する機会を与える地位(協議的地位)を付与する。しかし近年では,各国の国内 NGOも災害援助や開発など数多くの分野で国連の機関と連携して,あるいは独自に活動を行なっている。日本の NGOは,欧米の主要 NGOに比べて活動の歴史が浅く,財政面,人材面の基盤が脆弱で小規模である。また国民一人あたり NGOの自己資金負担額も他の先進国に比べて少い。しかし 70年代後半頃から活発になった日本の NGOによる海外活動は,その後世界各地で起った紛争や自然災害などの現場で経験を積むことによって質も向上し,専門化,多様化が進む。政府は 1989年度から NGOの事業補助金制度を発足させ,98年には特定非営利活動促進法(NPO法)を制定して,活動の法的支援を開始した。

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知恵蔵 「非政府組織」の解説

非政府組織

国際機構(国際組織、国際機関)と呼ばれるものが通常は国際条約でつくられた政府間機構(IGO)を指すのに対し、民間人や民間団体のつくる機構を非政府組織(機構)と呼ぶ。国内、国際の両方があるが、後者を指すことが多い。国内と国際の両方を合わせると6万を超えるといわれる。かかわる問題も、軍縮、飢餓救済、開発援助、人権、環境保護、学術など、あらゆる局面にわたる。

(最上敏樹 国際基督教大学教授 / 2007年)

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改訂新版 世界大百科事典 「非政府組織」の意味・わかりやすい解説

非政府組織 (ひせいふそしき)

NGO

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世界大百科事典(旧版)内の非政府組織の言及

【NGO】より

…非政府組織nongovernmental organizationsの略称。NGOは,第1に,国家の政府が追求する国益に拘束されないこと,第2に,国境を越えた自由な提携の運動を高めることの主として二つの特色をもつ国際組織である。…

※「非政府組織」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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