朝日日本歴史人物事典 「日仏尼」の解説
日仏尼
生年:寛喜3(1231)
鎌倉時代の日蓮宗の信者。字は妙了。甲斐国(山梨県)巨摩郡の人。文永11(1274)年日蓮の身延入山のとき栗飯を供養して弟子となったため「栗冠の姨」と呼ばれ,下の坊を建てて日蓮に常時給仕した。弘安2(1279)年,難産のすえ男子を出生し,日蓮によって是好麻呂と名付けられた。日蓮没後,甲斐に帰って,長じて出家した息子の中道院日了と共に廃寺の妙竜寺を復興し,日了を開山として妙了寺と号した。妙了寺は,日仏尼の出産伝承によって安産祈願の寺となっている。<参考文献>日潮『本化別頭仏祖統紀』
(西口順子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報