日光を見ずして結構と言うな(読み)にっこうをみずしてけっこうというな

ことわざを知る辞典 の解説

日光を見ずして結構と言うな

日光の東照宮を見たことがないものは、建築の美を語る資格がない。東照宮を中心とする日光の美しさをたたえたことば。

[使用例] 日光を見ないうちは、結構と言うなかれ……その結構の入り口は。例の杉並木ですなあ[林不忘*丹下左膳|1934]

[解説] 日光は、もと男体山を中核とした山岳信仰霊場。元和三年(1617)に建立された日光東照宮は、東照大権現徳川家康)を祀り、寛永年間(1624~44)に今日のような壮麗な社殿が造営されました。日光詣では、当初は将軍をはじめ武士が中心でしたが、江戸後期には庶民の間でも盛んになりました。「結構」は、建築物のこしらえや意匠もさし、また豪華なものやぜいたくなものを意味したので、東照宮の豪華絢爛な建築美を讃えたものと解されます。「日光」と「結構」の語呂合わせも効果的で、近世後期から広く浸透しました。

英語〕See Naples and die.(ナポリを見て死ね)

出典 ことわざを知る辞典ことわざを知る辞典について 情報

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