日本キリスト教婦人矯風会(読み)にほんきりすときょうふじんきょうふうかい

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

日本キリスト教婦人矯風会
にほんきりすときょうふじんきょうふうかい

信仰に基づき一夫一婦の平和な家庭をつくり、酒害を排除する運動を目的とした日本最初の女性団体。1886年(明治19)に56人のクリスチャン女性によって設立された東京婦人矯風会が発展し、1893年に全国組織となった。マークに白リボンを用いる。結成時の指導者は矢島楫子(やじまかじこ)で、アメリカの禁酒運動支部として出発した。2010年(平成22)時点で会員数約2000人の財団法人。本部は東京都新宿区百人町。1895年(明治28)、月刊で『婦人新報』を刊行(2011年4月から隔月刊)。活動の歴史と評価は『日本キリスト教婦人矯風会百年史』に詳述されている。矯風会の活動目標は三つあり、キリスト教信仰による世界の平和、男女の性と人権の尊厳を守ること、未成年の禁酒・禁煙である。とくに1880~1890年代には廃娼運動に積極的な役割を果たした。1986年(昭和61)、創立百年記念事業として来日アジア女性の緊急保護施設「女性の家HELP」(かけこみセンター)を、また2000年(平成12)65歳以上の単身女性のための短期宿泊施設「ステップハウス」を開設し、奉仕活動で社会悪と対決している。

[川又志朗・原 誠]

『『日本キリスト教婦人矯風会百年史』(1986・ドメス出版)』

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