日本テレビ視聴率買収事件(読み)にほんてれびしちょうりつばいしゅうじけん

知恵蔵の解説

日本テレビ視聴率買収事件

2003年10月に明るみに出た、日本テレビのプロデューサー視聴率の調査家庭に金品を渡して番組を見るよう働きかけていた事件。不正は00年から03年にかけて行われた。ビデオリサーチの調査対象世帯は外部には秘密になっているが、このプロデューサーは興信所を使って割り出していた。番組制作費1000万円余りを番組制作会社に水増し請求させて調達し、そのうち875万円を視聴率の工作資金に充てていたこともわかった。日本テレビはプロデューサーを懲戒解雇にしたうえ、社長が副社長に降格するなどの処分をした。背景には、番組の価値を測るものさしが視聴率に集中する傾向が年々強まり、何が何でも数字をとろうとする空気が広がっていた制作現場の実態がある。事情は他局も変わらない。NHKでさえ視聴率を意識する姿勢が強まるなかで、放送界全体の視聴率至上主義が厳しく問われることとなった。この事件後、質の高い番組の制作・放送を促すために、民放連は日本放送文化大賞を新設した。

(隈元信一 朝日新聞記者 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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