興信所(読み)コウシンジョ

デジタル大辞泉 「興信所」の意味・読み・例文・類語

こうしん‐じょ【興信所】

個人法人信用財産などを内密に調べ、依頼者に報告する民間機関

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精選版 日本国語大辞典 「興信所」の意味・読み・例文・類語

こうしん‐じょ【興信所】

  1. 〘 名詞 〙 商事または人事の信用状態を、依頼に応じて秘密に調査し、報告する機関。信用調査機関。
    1. [初出の実例]「その内には興信所(コウシンショ)といふやうなものも数へ入れてよからうと思ふ」(出典:東京学(1909)〈石川天崖〉五)

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改訂新版 世界大百科事典 「興信所」の意味・わかりやすい解説

興信所 (こうしんじょ)

第三者委託によって,個人または法人の経歴人物,性向,行状,財産状態,事業の種類・性質,組織・経営・業務の現状などを調査し,その結果を報告することを業務とする機関。結婚や就職に際して,個人の身上を調査することもあるが,本来の主要業務は,商取引上の相手方の信用状態を調査することにあり,そのため商業興信所(mercantile)credit agencyともいう。18世紀後半にイギリスで発生したとされるが,ひろく普及するようになったのは,イギリス人のペリーが開業した1830年ごろからで,それ以降は,おりしも経済恐慌が兆していたアメリカにもひろがり,さらに資本主義経済が発展するにしたがって,その必要性が高まった。現在,欧米における興信所の社会的地位はきわめて高い。日本では,1892年に外山修造が主唱して大阪西区土佐堀に設立した商業興信所が最初で,その後は96年に東京興信所が,1900年に帝国興信所(1981年帝国データバンク改称)が,それぞれ設立されるに至っている。現在,世界的には,アメリカのダン・アンド・ブラッドストリート社Dun & Bradstreet Corp.,ドイツのシンメルフェング社Schimmelpheng Gmb.H.などが権威ある興信所であるとされている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「興信所」の意味・わかりやすい解説

興信所
こうしんじょ

企業や個人の信用調査をする機関。1830年イギリス人ペリーによって始められたといわれる。日本では外山脩造(とやましゅうぞう)が1892年(明治25)大阪で開業した商業興信所が最初である。続いて96年には東京興信所、1900年(明治33)には帝国興信所が設立された。商工業などの取引業務では、自社のみで行う相手方の調査には遺漏と限界があるので、信用と組織のある興信所への依頼度は高い。情報形態の多様化で、マーケティング・リサーチ、データ・バンク、経営コンサルタントを業とするものも多くなったが、広義にはこれらも興信所といえる。一方、個人信用調査も多岐化して、相手人物の財産状態、経歴調査から、取引を離れた素行調査、家出人の捜索、尾行報告などにも及び、この方面の業務に重点を置くものには「探偵社」と名のるものも多い。

[梶 龍雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「興信所」の意味・わかりやすい解説

興信所
こうしんじょ
mercantile agency

個人または法人の経歴,人物,資産または営業状態などを調査する機関。結婚,就職などに関係して個人の調査も行うが,本来の主要業務は商工業者の信用調査にあり,商業興信所とも呼ばれる。営利的なものと非営利的なものとがあり,前者は会社組織であり,後者は通常同業商工業者の会員組織である。現在世界三大興信所といわれるものにブラッドストリート (アメリカ) ,アール・ダン (アメリカ) ,シンメルフェング (ドイツ) があり,日本では 1890年代から次第に発達し,現在では東京商工リサーチ,帝国データバンクが有名である。

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百科事典マイペディア 「興信所」の意味・わかりやすい解説

興信所【こうしんじょ】

第三者の委託により,商工業者の財政状態に関する信用調査や一般人の人物・経歴等に関する人事調査を行う機関。前者を主とする商業興信所には,興信会社等の営利的なものと,非営利的な興信組合とがある。興信会社は英国で18世紀末に始まったとされ,19世紀中ごろには,英国,米国にひろく普及した。現在では欧米における商業興信所の社会的地位はきわめて高い。日本では1892年大阪に初めて設立され,1896年東京興信所,1900年に帝国興信所(現,帝国データバンク)が設立された。

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