日本韻文論(読み)ニホンインブンロン

デジタル大辞泉 「日本韻文論」の意味・読み・例文・類語

にほんいんぶんろん〔ニホンヰンブンロン〕【日本韻文論】

山田美妙による詩論日本語韻文に新たな格調を定めようと試みた。雑誌国民之友」に明治23年(1890)から明治24年(1891)にかけて連載

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改訂新版 世界大百科事典 「日本韻文論」の意味・わかりやすい解説

日本韻文論 (にほんいんぶんろん)

山田美妙の詩論。1890年(明治23)10月から翌91年1月まで《国民之友》に計8回掲載。日本韻文の発達のために新しい韻格を制定しようとしたもので,美妙の改良主義が最も精緻に発揮された論。第1編第1章〈散文と韻文の区別〉から始まり,第2編第3章〈十四韻律の各性質〉までで,以下中絶。この美妙の論はあまりに詩の本質を韻律(節奏)に求めすぎていたため,石橋忍月や内田不知庵(魯庵)さらには森鷗外らの批判を呼んだ。しかし美妙はこの論を実作に応用し,《新調韻文 青年唱歌集》(1891)などに代表される詩作を数多く試みている。言文一致論と同じく,美妙の外形への執着が発揮された論である。
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