旧事本紀(読み)クジホンギ

精選版 日本国語大辞典 「旧事本紀」の意味・読み・例文・類語

くじほんぎ【旧事本紀】

  1. 平安前期の歴史書。一〇巻。著者未詳。大同以後承平六年以前(八〇六‐九三六)の成立とされる。神代本紀、陰陽本紀以下一一に分け、神代から推古天皇までの天皇の事跡を述べたもの。物部氏記事に詳しく、国造本紀と共に重要視される。旧事紀。先代旧事本紀

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「旧事本紀」の意味・わかりやすい解説

旧事本紀
くじほんぎ

『先代旧事本紀』が正称。『旧事紀』ともいう。神代から推古天皇までを扱った歴史書。 10巻。「序文」に聖徳太子の撰であると記されているが,平安時代前期の作。『日本書紀』『古事記』その他の古書を抜粋し,これを『日本書紀』推古天皇 28年の条にある『天皇記』『国記』『臣連伴造国造百八十部并公民等本紀』にあてようとしたものである。ただ,全体として物部氏関係の言い伝えが多いため,その一族の作に成るとされている。江戸時代までは,特に神道家の間で,『古事記』や『日本書紀』と同じように高く評価された。『国史大系所収

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世界大百科事典(旧版)内の旧事本紀の言及

【先代旧事本紀】より

…10巻。略して《旧事本紀》《旧事紀》とも。序文に聖徳太子,蘇我馬子らの撰とあるため,中世の神道家などに尊重されたが,江戸時代以後,偽書と判明。…

※「旧事本紀」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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