明石町之図(読み)あかしまちのず

日本歴史地名大系 「明石町之図」の解説

明石町之図
あかしまちのず

一九・五×二七・五センチ

成立 不詳

原図 不詳

解説 原図となったと思われる文久年間の明石町之図の写を、明治以降に謄写版で復刻したもので、作成時期・作成者ともに不詳。台地上にあった本丸の麓、中堀の内側の三の丸に、さらに内堀で囲まれた藩主の御殿区画および勘定所・武具方などの役所の位置を記すとともに、中堀と外堀の間にあった武家屋敷地区については各町名・丁名および各屋敷割の区画と家臣名を明記している。また外堀の南側に広がる城下町については、町割の区画と各町名・丁名のほか寺社名、外堀や港内にかかる橋名を記載。西は明石川の東岸を、南は新浜および明石港を、東は外堀を限りとして描写。同時期のものと考えられる文久三年の明石町旧全図と比較すると、武家屋敷の家臣名に一部違いがみられ、短い間にも家臣団拝領屋敷に変化があったことがうかがえる。昭和礼文社復刻「文久三年明石町全図」添付地図。


明石町之図(明石城下図)
あかしまちのず

二九×二二・五センチ

成立 不詳

原図 不詳

解説 明治四四年に神戸を中心とする摂津西部地方の地誌として刊行された「西摂大観」中の、明石郡の部分に収録された絵図。享保年間頃の成立と考えられる。中堀以内の城郭部については記載なし。外堀以内にあった武家屋敷地区については、屋敷割ごとの規模の記載はないものの家臣名を記載し、中堀・外堀にあった諸門名を記載する。町屋地区については町名・丁名のほか寺社名を記載。また明石港については、藩主の御茶屋・御米倉・御船登場・東水主丁の記載がみられる。西は西新町、南は播磨灘に面する海岸線、東は外堀沿いに発展した腕塚町・弓町・忠度町の一部を限りとして描写。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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