春採台地竪穴群(読み)はるとりだいちたてあなぐん

日本歴史地名大系 「春採台地竪穴群」の解説

春採台地竪穴群
はるとりだいちたてあなぐん

[現在地名]釧路市春湖台

春採湖北岸にある。同湖は北側・南側では標高三〇メートル前後の海成段丘が発達し、北岸には多くの小沢湧水が入る。そのため遺跡は北岸台地に集中して分布する。当遺跡は擦文時代の集落跡として昭和一〇年(一九三五)国指定史跡となった。指定時には五九軒の竪穴住居跡が存在したが、第二次世界大戦の期間やその戦後に一部が畑地利用されたため、現在は三一ヵ所が確認できるだけである。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

国指定史跡ガイド 「春採台地竪穴群」の解説

はるとりだいちたてあなぐん【春採台地竪穴群】


北海道釧路市春湖台の春採台地にある擦文(さつもん)時代の竪穴住居群。もともと、春採湖の周囲にある春採台地には200軒あまりの竪穴住居跡があった。そのうちで、とくに竪穴住居跡が集中している北側一帯が1935年(昭和10)に国指定史跡となった。ここには59軒の住居跡があるが、そのうち31軒が地表面から窪んだ状態で観察できる。一帯は、12~13世紀、擦文時代後半の集落跡で、湖側の崖面から縄文時代早期の土器も出土している。市街地に残されている竪穴群としては最も規模が大きい。JR根室本線釧路駅から釧路バス「幣舞中学校」下車、徒歩約3分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報