春部郡(読み)かすがべぐん

日本歴史地名大系 「春部郡」の解説

春部郡
かすがべぐん

郡域は現春日井市、小牧市、瀬戸市(南部を除く)尾張旭市、名古屋市守山もりやま区・名東めいとう猪高いたか猪子石原いのこいしはら・東区矢田やだ町・北区・西区(一部を除く)西春日井郡にあたる。尾張の東北部、南辺を庄内川・五条ごじよう川に囲まれ、東北部は山地地形の丘陵および低丘陵地帯、西南部は自然堤防と後背湿地からなる平野部となっている。北で丹羽郡、東で三河国、南で山田郡、西で中島郡および海部あま(後に海東郡)と接していた。中世末の山田郡廃止の際、その北半部を編入し、郡域が拡大された。

藤原宮出土木簡に「治国春部評春」とあるのが初見で、大宝令以前の行政区画である「評」が用いられている。郡名表記の史料では天平二年(七三〇)一二月の尾張国正税帳(正倉院文書)の「自春部郡来弐阡陸伯捌拾捌束」「納春部郡五升」が早い。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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