人材マネジメント用語集 「時季変更権」の解説
時季変更権
・事業の正常な運営を妨げる場合とは、「事業の規模、内容、当該労働者の担当する作業の内容、性質、作業の繁閑、代行者の配置の難易、労働慣行等諸般の事情を考慮して客観的に判断すべきである。」(S53.1.31大阪高裁判決)とされている。客観的に判断されるべきものであるとともに、事業の正常な運営を妨げる事由が消滅後できる限り速やかに休暇を与えなければならない。
・例えば、年末年始等業務の繁忙時期、同一期間に多くの従業員が有給休暇の取得を申請し、全員に有給休暇を付与したら事業が正常に回らない場合などが該当する。
・最高裁の判決で、「使用者に対し、できる限り労働者が指定した時季に休暇を取得することができるように、状況に応じた配慮をすることを要請していると解すべきであって、そのような配慮をせずに時季変更権を行使することは、右趣旨に反するものといわなければならない。」とされている。(平成元(オ)399 時事通信社けん責事件)
・時季変更権は、あくまでも従業員が在籍している期間内のみで有効であり、使用者がいかに繁忙であろうとも当該従業員の解雇予定日を超えての時季変更権の行使は認められていない。
・労使協定において、計画的付与が決まった日数に対しては、従業員の有給取得の時期指定権はなくなり、同様に使用者の時季変更権の行使はできない。
出典 (株)アクティブアンドカンパニー人材マネジメント用語集について 情報