普通話(読み)フツウワ(その他表記)pǔ-tong hua

デジタル大辞泉 「普通話」の意味・読み・例文・類語

ふつう‐わ【普通話】

現代中国の共通語の称。北方方言を基礎語彙とし、北京語音を標準音とする。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「普通話」の意味・読み・例文・類語

ふつう‐わ【普通話】

  1. 〘 名詞 〙 現代中国の共通語の称。北方方言を基礎語彙とし、北京語音を標準音とする。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「普通話」の意味・わかりやすい解説

普通話
ふつうわ
pǔ-tong hua

あまねく通用する言葉の意味で,中国における民族共通語をさす。北方方言を基礎方言とし,北京語音を標準音とする言語である。宋元 (10~14世紀) 以来,北方における都市の発達と白話文の普及に伴い,次第に共通語が形成されてきた。それが明清時代 (14~20世紀初頭) には「官話」と呼ばれ,辛亥革命 (1911) 後「普通話」や「国語」の名称が用いられるようになった。 1955年の全国文字改革会議で普通話が正式の名称として採用され,前記の新しい性格づけを受けた言語として,教育・放送・出版などにおいて広く普及の手段がとられることとなった。この普通話はへい音字母成立もあって,従来の国語統一運動になかった広がりをみせている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の普通話の言及

【官話】より

…民国に入ると,国語運動がおこり,官話にかわって〈国語〉という名称が生まれるが,北京官話,官話の名称は依然として使われた。人民共和国が成立してからは,北京官話は〈普通話〉へと成長した。 広義の官話は,現在の北方方言をいい,漢語方言の中では最も通行範囲が広く,使用人口も最も多い。…

【中華人民共和国】より

…すなわち,北方語(北方,西南各省),呉語(上海,江蘇,浙江),湘語(湖南),贛(かん)語(江西),客家(ハツカ)語(広東,広西,福建,江西),粤(えつ)語(広東,広西),閩南(びんなん)語(福建南部),閩北語(福建北部)などであるが,これらの間で相互の対話は不可能であり,それぞれの系統の内部の相違も大きい。そこで,現代北京語の発音を標準音とし,北方語を基礎とし,典型的な現代白話文の作品を文法規範とする全国共通語(これを〈普通話〉という。われわれが普通に中国語といっているのが,これである)の普及が,マス・メディアや教育の場を通じてはかられており,全国どこでも原則として通用する。…

【中国語】より

…1字1音1義などというように,漢字1字は漢字の歴史の最も古い時期から,だいたいこの言語の1音節に対応していたと見て差支えない。 〈普通話pǔ tōng huà〉と呼ばれる現代中国の共通語音を例とし,かつ〈漢語音(へいおん∥ピンイン)方案〉(音は正しくは〈ひんおん〉とよむ)による正書法にもとづいていえば,これら(C)(M)V(C/V)/Tのすべての要素が存在するのは,biao3〈表〉,suan4〈算〉等がそれで,b‐,s‐が最初の(C),‐i‐,‐u‐が(M),‐a‐が次のV,前者の‐o,後者の‐nが(C/V)である。数字の3,4はTで声調をあらわし,前の〈表〉はその全体が,声の高さの一番低い所を1,一番高い所を5として等分したとき,概略214というようなカーブを,あとの〈算〉は51というカーブを描く形で発音されることを示す。…

【文字改革】より

…白話文運動の目的は〈書きことば〉と〈話しことば〉との距離をちぢめることにあり,解放後はさらにその距離をなくすべく,大衆語運動にまで発展した。国語運動は〈話しことば〉の基準となる国語の統一を目的とし,とりわけ標準音とその表記法についての検討が行われ,解放後における〈普通話〉(共通語)の成立につながる。 1940年,毛沢東は〈文字は一定条件のもとで改革しなければならない〉とのべ,51年には〈世界の文字と共通の表音化の方向にむかわねばならない〉とのべて,中国における文字改革の方針を明らかにした。…

【官話】より

…民国に入ると,国語運動がおこり,官話にかわって〈国語〉という名称が生まれるが,北京官話,官話の名称は依然として使われた。人民共和国が成立してからは,北京官話は〈普通話〉へと成長した。 広義の官話は,現在の北方方言をいい,漢語方言の中では最も通行範囲が広く,使用人口も最も多い。…

※「普通話」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android