中国語の中で,比較的広範囲に通行した北方語,とくに北京語をかつて官話と呼んだ。ときには北方諸方言をあわせて官話と呼ぶ場合もある。17世紀に華南に渡来した宣教師が,土俗の方言のほかに役所での公用語など,当時の北方共通語を〈マンダリンMandarin(官話)〉と名づけた。
清朝になると漢民族を征服した満州人は首都北京のことばをならい,それを官話としてその普及をはかった。華南の各地に〈正音書院〉を立て,《正音摂要》《正音咀華》などの手引書がつくられた。民国に入ると,国語運動がおこり,官話にかわって〈国語〉という名称が生まれるが,北京官話,官話の名称は依然として使われた。人民共和国が成立してからは,北京官話は〈普通話〉へと成長した。
広義の官話は,現在の北方方言をいい,漢語方言の中では最も通行範囲が広く,使用人口も最も多い。一般には以下のように大きく四つに分ける。(1)華北方言(北方官話) (a)河北,(b)東北,(c)山東,(d)胶東,(e)河南,(f)淮(わい)北。(2)西北方言(西北官話) (a)山西,(b)関中,(c)寧甘。(3)西南方言(西南官話) (a)川貴,(b)湖北,(c)雲南,(d)桂北。(4)江淮方言(下江官話) (a)淮南,(b)皖南,(c)南通。
執筆者:辻本 春彦
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