智儼(読み)チゴン(その他表記)Zhi-yan

デジタル大辞泉 「智儼」の意味・読み・例文・類語

ちごん【智儼】

[602~668]中国、唐の僧。華厳宗の第二祖。12歳で杜順とじゅんについて出家、智正に華厳学を学び、華厳の宣布に努めた。著「華厳経捜玄記」「孔目章」など。至相大師。雲華尊者。

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精選版 日本国語大辞典 「智儼」の意味・読み・例文・類語

ちごん【智儼】

  1. 中国、初唐の僧。中国華厳宗第二祖。至相大師、雲華尊者と尊称する。一二歳で杜順の門にはいり、諸師に仏教学を学び、華厳教学の基礎を作った。著に「華厳経捜玄記」「孔目章」など。(六〇二‐六六八

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「智儼」の意味・わかりやすい解説

智儼
ちごん
Zhi-yan

[生]仁寿2(602)
[没]総章1(668).10.29.
中国,唐の華厳宗の第2祖。至相大師,雲華尊者ともいう。 12歳で出家し,杜順に師事した。『華厳経』の講義に力を入れ,法蔵はこれを聞いて入門したといわれる。主著『華厳経捜玄記』『華厳孔目章』『華厳五十要問答』。

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世界大百科事典(旧版)内の智儼の言及

【教相判釈】より

…ここから《華厳経》は頓教であり〈漸教〉が第一時三乗別教,第二時般若経,第三時維摩経および梵天思益経,第四時法華経,第五時涅槃経であるなどというように南北朝諸教判が集大成されて,ここに隋・唐諸宗派教判の基本型が成立すると考えられる。これを改正増補して隋の天台宗の智顗(ちぎ)は,一華厳(阿含)時,二鹿苑時,三方等時,四般若時,五法華・涅槃時の五時にわたり,説法方法からして頓・漸・秘密・不定の四教と説法内容からして蔵・通・別・円の四教との八教が説かれたという五時八教の教判を完成させ,唐の華厳宗の智儼(602‐668)や法蔵は,一小乗教,二大乗始教,三終教,四頓教,五円教の五教と,我法俱有宗,法有我無宗,法無去来宗,現通仮実宗,俗妄真実宗,諸法但名宗,一切皆空宗,真徳不空宗,相想俱絶宗,円明俱徳宗の十宗の教判を完成させた。日本においても,空海の顕密二教を分かち十住心(《十住心論》)を立てる教判や,親鸞の頓教に難行易行の二道と竪超横超の二超を立てて漸教・小乗教に対比させる教判などが説かれた。…

※「智儼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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