智積寺(読み)ちしやくじ

日本歴史地名大系 「智積寺」の解説

智積寺
ちしやくじ

[現在地名]赤碕町竹内

竹内たけのうち集落の北東部にある。船上山と号し、天台宗本尊地蔵菩薩。かつては船上寺・智積院・法蔵ほうぞう院などと称した。山号が示すように、かつて船上せんじよう山の山頂にあった寺坊が山下に移されて成立した。享禄四年(一五三一)には山上に「智積寺」があったことが知られるが(十一面観音胎内銘)豊臣秀吉が山上の寺領を没収したことに伴い一坊であった大乗院が竹内村で草庵を営むに至ったという(伯耆民談記)。寛永一〇年(一六三三)には「船上寺」が藩から寺領四石余を寄進されているが(寺蔵文書)、この寺名は享禄期の智積寺の前身にあたる「増鏡」第十七月草の花にみえる「船の上寺」や「大乗院日記目録」元弘三年(一三三三)二月二三日条にみえる「船上山寺」にちなむと考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の智積寺の言及

【船上山】より

…登山口には少年自然の家がある。【豊島 吉則】 1333年(元弘3)閏2月,隠岐を脱出した後醍醐天皇は,山麓の豪族名和長年(なわながとし)に奉ぜられて智積(ちしやく)寺本堂を行在所(あんざいしよ)とし,名和一族に呼応した近在の土豪や大山寺衆徒らは要害を利して隠岐守護佐々木清高らの追討軍を撃破した。智積寺は山上の平たんな高台に建立された寺で,山号を船上山といい,大山寺の末寺であった。…

※「智積寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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