朝日日本歴史人物事典 「暁鐘成」の解説
暁鐘成
生年:寛政5(1793)
江戸時代の読本作者。木村氏。弥四郎と称し,鶏鳴舎,暁晴翁などと号する。大坂で醤油業を営む名家和泉屋の3代目茂兵衛の第4子。庶子として生まれ,分家である2代目和泉屋平八に預けられる。土産物雅器店「鹿の家」やサロン的茶店「美可利家」などを営む一方,『以呂波草紙』(1823),『女熊坂朧夜草紙』(1825)などの読本のほか,啓蒙書や雑書の類,名所図会,考証随筆など,多方面の著述をし,挿絵も描くなど,幕末の大坂出版界では最も人気のある戯作者であった。なお,分家筋の5代目木村平八とその長子騰は,『朝日新聞』の設立にかかわっている。
(樫澤葉子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報